第二十三回全国「藍生」のつどい 福島大会 

第23回全国大会藍生のつどい

  「奥の細道 福島大会」第一句会

                平成28年6月11日 於 H辰巳屋


主宰句


自由平等句座句友
泉への径捨ててこそ忘己利他
月涼し遺されし者句座に拠り

主宰特選句


万緑を馳すみちのくへ馳するなり   原田 桂子

さあ一歩福島に逢ふ余花に逢ふ    広川 一美

蒼しとも見えて月下の山法師     川崎 柊花

かなしさ勁さ涼しさの貫通す     植田 珠實

炎天や人を見下ろす汚染袋      渡部 健

当ても無きわれは難民鳥雲に     渡部 健

草いきれ隣人何処に避難せし     三瓶 美月

植田一望津軽に千空太宰かな     南 美智子

三井の晩鐘を撞く万緑の空      森光 梅子

引寄せて又流さるる囮鮎       原田 桂子

風割つて泰山木の咲きにけり     栗島 弘

文字摺りの石にほろほろ桜蕊     佐野 享保

万緑へ会津小法師の勃き上がる    大矢内生氣

除染言ふ職得て赴任走梅雨      三瓶 美月

北の海へ散華や土佐の桜貝      岡崎 淑

薄暑光しづかなひとはしづかなり   植田 珠實

満月をいよいよ蒼きほたるかな    弘田 幸子

蛍火のこの世にありて点しけり    谷脇 萬明

桐町長お元気ですか桐の花      渡邊三度栗

ふくしまの桃に触れ来し薬指     益永 涼子

智恵子の空光太郎の川風青し     小山 京子

原爆原発若葉青葉無言        藤田 翔青

よしきりが好きで静かに暮すなり   松本 利幸

フクシマに集ふ青水無月の句座    藤岡 値衣

草を刈るただそれだけの一世かな   北林 微笑

廃炉まで重ねる日々や雲の峰     宗像眞知子

青梅の透き間をのがれ来し光     北村 照子

春蝉や原発のこと核のこと      大信田宏子

過去追はず未来願はず青嵐      城下 洋二

桐の花落つ凛然たる終焉       高浦 銘子

結葉のみな平等の句座にあり     花輪 厚女

干飯の津波訓練地震の国       和田 千明

水口に来し夏蝶と覚えたり      澁谷 達生

赤銅の一遍上人南風吹く       北垣みどり

真南に大きな火星枇杷熟るる     成岡ミツ子

井戸の水汲んで兄来る夕螢      二階堂光江

衣更へて通過列車に映りゐる     中田千惠子





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