第十三回全国「藍生」のつどい・長野大会 二日目吟行句会

6月11日(日)、宿から10分ほどの中西悟堂銅像前に朝五時に集合した約40名のバードウォッチング参加者面々は、二手に分かれて「ピッキオ」の専門スタッフによる説明を受けながら野鳥の声に耳を澄ませ国設軽井沢野鳥の森を歩いた。小雨の中姿は余り確かではないが、周りからのいろいろな鳥の声が森の訪問者を愉しませてくれた。朝食後、全員バスで今日の吟行地、菅平高原牧場に向う。標高がやや高くなって、ひんやりとした風が少々肌寒く感じられるが、広々とした牧草地が心地よい。牛から興味津々の態度で近寄られたり、蕨を摘みながらも、作句は忘れる事が出来ない。二日目の句会は、近くのエーデルホテルにて昼食後12時半から開始された。 


主宰句


郭公の郭公と啼くかなしさよ
ほととぎす乱鶯やがて遠郭公
於母影の消ゆることなし遠郭公

主宰特選句


草笛にしたき草など探しけり 
熊谷 一彦 (埼玉県)
ほととぎす牧牛に置く水としほ 
山口 都茂女 (埼玉県)
リラ冷の高原牛の走りけり
岩井 久美惠 (東京都)
夢二つにせアカシアの花食べて
橋本 薫 (石川県)
夏草を踏むことごとく遥かなる 
二階堂 光江 (岩手県)
土佐の枇杷置きて若人立ち去りぬ
二宮 操一 (東京都)
青葉木莵なかなか逢へずもう逢へぬ
浜崎 浜子 (高知県)
草笛を吹けば信濃に月満ちて 
森光 梅子 (長崎県)
草笛の息たえだえに聞こゆるよ 
藤平 寂信 (滋賀県)
夏の野に駆けだしさうな子がひとり 
半田 真理 (栃木県)
草笛やくやしいけれど涙して
梅田 昌孝 (愛知県)
草笛のわらふがごとくなくごとく 
三嶋 幸雄 (鹿児島県)
草笛や五十の恋の悲しさに  藤井 正幸 (東京都)




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