![]() |
前泊して、今回の長野大会準備スタッフに計画して戴いたプション吟行(姥捨方面や旧碓氷峠方面)に参加した者も多かった、と聞く。6月10日(土)、しなの鉄道中軽井沢駅からほど遠くない、万緑に囲まれた今回の大会場所、塩壷温泉ホテルには9時半の受付開始から昼ころまでに、全国から90余名の会員が三々五々集合してきた(因みに本報告筆者の場合は、前夜の赤道直下の国でのパーテーを終え夜行便で何とか投句締め切り時間に駆けつけたのであるが)。窓からやわらかい青葉光が差し込む奥の大広間にて、13時半より各自3句出句3句選での一日目の句会が始められた。当日は17時ころの句会終了後、温泉を浴びてから18時半ころより恒例の懇親会。佐久の草笛の哀調に耳を傾け、また佐久の銘酒を傾けながら、それぞれも中々音の出ない草笛練習に苦労もしていた。また21時からの慣例の深夜句会も、いつもながら疲れを知らぬ有志によって続けられていた。 |
主宰句 |
松蝉や老いていよいよ昼の酒 |
昼灯す弥生子の書斎ほととぎす |
墨磨れば暁ほととぎすわれを呼ぶ |
主宰特選句 |
つぎつぎにあらはれつひに大瀑布 | 寺澤 慶信 (埼玉県) |
そこにゐて静かなる鳥明易し | 森田 正実 (神奈川) |
松に藤浅間を雲の離れゆく | 城下 洋二 (東京都) |
吾嬬者那青嶺その奥また青嶺 |
深津 健司 (東京都) |
草いきれ心に姥を背負ひゆく |
水巻 令子 (千葉県) |
堀辰雄旧居の百合の白さかな | 中川 肇 (東京都) |
緑陰をゆくけふを生きけふを老い |
門奈 明子 (千葉県) |
万緑やいっぽんの道見失ふ |
佐藤 卓代 (長野県) |
再開や天に錆びたる朴の花 |
成岡 みつ子 (東京都) |
山に人森にまた人閑古鳥 |
山崎 巌 (新潟県) |
梅雨に入る何故に私はここにいる |
祖川 弘司 (高知県) |
梅雨の月雨の雫の消えぬ間に | 城下 洋二 (東京都) |
|
||
![]() |
![]() |
![]() |