第十三回全国「藍生」のつどい 長野大会 

前泊して、今回の長野大会準備スタッフに計画して戴いたプション吟行(姥捨方面や旧碓氷峠方面)に参加した者も多かった、と聞く。6月10日(土)、しなの鉄道中軽井沢駅からほど遠くない、万緑に囲まれた今回の大会場所、塩壷温泉ホテルには9時半の受付開始から昼ころまでに、全国から90余名の会員が三々五々集合してきた(因みに本報告筆者の場合は、前夜の赤道直下の国でのパーテーを終え夜行便で何とか投句締め切り時間に駆けつけたのであるが)。窓からやわらかい青葉光が差し込む奥の大広間にて、13時半より各自3句出句3句選での一日目の句会が始められた。当日は17時ころの句会終了後、温泉を浴びてから18時半ころより恒例の懇親会。佐久の草笛の哀調に耳を傾け、また佐久の銘酒を傾けながら、それぞれも中々音の出ない草笛練習に苦労もしていた。また21時からの慣例の深夜句会も、いつもながら疲れを知らぬ有志によって続けられていた。

主宰句


松蝉や老いていよいよ昼の酒
昼灯す弥生子の書斎ほととぎす
墨磨れば暁ほととぎすわれを呼ぶ

主宰特選句


つぎつぎにあらはれつひに大瀑布 寺澤 慶信  (埼玉県)
そこにゐて静かなる鳥明易し  森田 正実  (神奈川)
松に藤浅間を雲の離れゆく 城下 洋二  (東京都)
吾嬬者那青嶺その奥また青嶺   
深津 健司  (東京都)
草いきれ心に姥を背負ひゆく    
水巻 令子  (千葉県)
堀辰雄旧居の百合の白さかな    中川 肇    (東京都)
緑陰をゆくけふを生きけふを老い 
門奈 明子  (千葉県)
万緑やいっぽんの道見失ふ     
佐藤 卓代  (長野県)
再開や天に錆びたる朴の花    
成岡 みつ子 (東京都)
山に人森にまた人閑古鳥     
山崎 巌   (新潟県)
梅雨に入る何故に私はここにいる 
祖川 弘司  (高知県)
梅雨の月雨の雫の消えぬ間に   城下 洋二  (東京都)




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