第十一回 全国「藍生」のつどい・徳島大会 二日目吟行句会

第2日目
吟行:8時30分〜(バスでホテル前を出発)

*遍路コース班は、源久寺副住職(岡村藍さんの息子光真さん)による懇切丁寧な説明・案内で、霊山寺(一番札所)、極楽寺(二番)、金泉寺(三番)の札所を巡った。霊山寺でお札を求め各所で納めながらの吟行をする者、極楽寺で求めた饅頭を食べながら句を求める者、金泉寺で喉を潤しながら句を推敲する者、それぞれが俄かに発心したかの様に振舞っていた。
その後会場となるドイツ館に到着、昼食を摂りながら午後の二日目句会へ備えた。

*ドイツ館直行コース班は、早めにドイツ館付近に到着。第1次大戦でのドイツ人捕虜収容所跡としてのドイツ館、ドイツ村、ドイツ橋或いは賀川豊彦記念館等を訪れ、遠く祖国のブラウンシュヴァイク等を離れて囚われの身となった人の想いや、第九初演の地としての思いに浸った。

大会第2句会は12時30分から、徳島の県木「やまもも」の赤い実が生けられている、ここ鳴門市ドイツ館ホールにて3句出句3句選で行なわれた。
第2句会の主宰特選者表彰を含めて4時過ぎには大会を終了、「温かい徳島のおもてなし」に感謝をしつつ、それぞれがそれぞれの日常の地への戻り支度を始めた。


主宰句


大安吉日阿波鳴門大南風
やまももの熟れゆく句座を重ねけり
橋架けて故国の山河梅雨の月

主宰特選句


彼のひとをお恃み申す沙羅の花 出井 孝子
葉桜の幹の冷たき札所かな 森田 正実
兄といふ天敵梅雨の遍路かな 岡村 遊
お四国の僧涼しげに語られし 奥村 京子
蟻忙し藍生阿波なる人等また 江上 京子
藍さんのおこす風なり涼しかり 村越 縁
収容所水道のあと泉なる 山口 都茂女
真言の吸はるる如く夏の山 城下 洋二
大南風千年の樟千の俘虜 渡邉 三度栗
今をただ生きて青葉の遍路かな 中村 祐治
踊り手の古老となりて涼しかり 米田 多美子
夏蝶のゆくそのあとをすこしいく 栗島 宏
土佐よりも大粒阿波のやまももは 浜崎 浜子
噴水や帰るしかない家がある 北村 ひかる
短夜や句座の一夜を阿波踊り  清水 隆邵
沙羅の花ひとつひとつに照り翳り 山口 恭徳
ずんずんと部屋に入り来る阿波踊 石川 秀治


2日目(13日)吟行は霊山寺から発心

お遍路さんは「南無大師遍照金剛♪〜」
・・・記者には「呑大酒三升五合♪〜」とも聞こえた!


金泉寺へも


光真副住職のご説明


ドイツ館へ


第2日目の句会はドイツ館で


第2日目主宰特選者の表彰

写真・記録・文:後藤洋



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