第十回全国大会 長崎  第二句会

六月八日(日)十二時三十分〜
会場:長崎全日空ホテルグラバーヒル

 前夜のグラバー園オルト邸におけるガーデンパーテイーは長崎港を見下ろし、飲み進むうちに明るい夕景色が夜景に変わっていく絶好の場所で行なわれた素晴らしい懇親の場であった。前日に続いて今日も天気が良い。懇親会に続く昨夜の藍生大会恒例の深夜句会にも31名の参加者が午前1時過ぎまで頑張っていたが、朝早くから三々五々、オランダ坂その他長崎の街各地に吟行に繰り出した。



主宰句                                     

この街に杏子櫻子夏の月
夏蝶の一羽のま昼爆心地
六月や月光しばし床柱

主宰特選句

羅や抜け道のなき月の園  松川ふさ
六月や風の手触り藍木綿 長野 眸
みじか夜の果てなき句座に身を投じ 秋好すみゑ
纜抛りけり明けきらぬ夏 栗島 弘
まみどりの海より迷ひ来し海月 高田正子
海に向かひて長崎の坂灼くる 高田正子
こにぢりぢり長き石畳 石澤香苗
なにもいらなくなりてより薄暑光 河辺克美
しつくひの教会夏燕しきり 大矢内生氣
蓋開きしまま唐人寝棺鴉の子 篠田くみ子
裸の子僧のうしろについてゆく 今井 豊
夏の潮こころのほかに荷をもたず 水巻令子
枇杷あましかすてらうまし大句会 佐渡寿美恵
薔薇園の薔薇より強き異国の香 福田礼子
しばらくは祈りの椅子の薄暑かな 梨子木紀美子
万緑の長崎をゆく坂をゆく 半田里子
百合を売る身の丈ほどに葭簀立て 山口都茂女




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