第十回全国大会 長崎  第一句会

六月七日(土)一時三十分〜
会場:長崎全日空ホテルグラバーヒル

長崎の海風が涼しい。前夜からここに投宿していた者、各地を巡ってきたりして今日ここに着いた者、「藍生」の連衆133名が午後には大浦天主堂間近の会場に続々集合してきた。
地元長崎の方々の周到な準備の下、三句投句三句選の一日目句会が始った。


主宰句


ほたる火のあをき沈黙明滅す
涼しさの唐寺の月なつかしみ
ほととぎす寂寥のその底知れず

主宰特選句


夏の蝶昏き光の紙踏絵 半田真理
卯波立つ遠藤周作母の文 中村祐治
かはほりや献花は水を吸ひつづけ たかぎちようこ
藤の実や身の奥をゆく鳥のごと 曲子治子
巡礼の牧師と言へり岬夏 大矢内生氣
一歩前殉教の街青嵐 渡邊三度栗
紫陽花やたどりてゆけば火の記憶 篠田くみ子
島々にゆつくりと夏下りてゐし 古橋淑子
長崎は傾ぎて生くる花デイゴ 朝稲健一
夕凪の底ひオラショのひびくなり 森光梅子
海や母波おだやかにして薄暑 後藤 洋
原爆忌人に二生は授からず 浜崎浜子




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