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黒田杏子
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訃報ひとつほうたるを待つ縁側に 悼句練るゆつくりと練る螢の夜 ほたる火をひとつこころに悼句練る なきがらのほたる夏落葉いち枚 こときれし螢を知らぬ蟻の列 ほたる火に逢つて七十五年なる 切手蒐めて年とつて螢呼ぶ その日まで生きよと螢なだれけり ねむり薬二分の一錠青螢 ほたる見にゆく夢の坂杖いつぽん 那珂川と箒川わが螢川 なみなみと新茶汲み分けほたる待つ 勁きひかりを那須野ケ原の螢 ほたるくる青田風くるいとこ会 あけがたの夢の岸辺の草螢 螢川記憶の岸を遡り お遍路に四万十川の螢籠 ほたるふぶきほたる散華果報者 四国第三十八番 補陀落院金剛福寺初螢 「岡田隆彦詩集成」が届き、しばしおしゃべり 麻乃さんと史乃ちやんのことほうたる来い |