例会トピックス 

第291回 藍生7月例会

(令和元年7月14日)
文京シビックセンター区民会議室C
にて


主宰ご出句                     

   チェリスト ナサニエル・ローゼン氏に

  ローゼンバッハ梅雨満月湖上

   山中湖

  梅雨満月湖上に富士とチェリストと

  チェリストと梅雨満月とみづうみと

  けさは机に黄釣舟半夏生

  梅雨満月龍太兜太を筆写して


特選句

 

 

紫陽花の色淡き日日娘と過ごす    

ボルゾイに似た漢作る茄子の寿司   

昏昏と人眠る沙羅の花落つ      

香水のひと坐りて立ちて去りにけり  

ただ一行半夏の蛸を喰ひたしと    

鷺一羽その全景の晩夏なり      

萍に翅をたたみてゆれてゐる     

凛と立つ被爆者夾竹桃真白      

冷房は要らぬ腕立て伏せ百回     

長崎の人へ浅葱の江戸風鈴      

富士塚でヤッホーといふ山開き    

夏蝶が来たのか私が来たのか     

嫋やかや出目金死んで浮くときも   

君のいた日記に挟むラベンダー    

つばめ来る電車の見える保育園    

釣人の呼び止めてゐる氷菓売     

真つ黒な杖ついてくる花菖蒲     

夏の夜の工場群と浮標の灯と     

出来立ての屋上庭園梅雨晴間     

太鼓打つ女神官花石榴        

幽霊のやうに箱根を歩きけり     

灼くる日の喪服に袖を通しけり    

キッチンに輝く火輪トマトかな

留守居してすもも熟れゆく台所    

謡稽古終へ噴水の立ちあがり     

大甕の一片欠けし古代蓮       

雨蛙共用玄関明るうす        

形代やピクトグラムのご先祖さん   

点るまま恋うままほうたる揺るるまま 

夫若き父たりし日の螢籠       

ひろしまの人と語らふ夏の川     

さみだるる山河馬上の芭蕉像     

蒲の穂や二千万円無く生きる     

無口なる君が隣や夏の月       

繁忙な多忙多用の夏休み   

ざくざくと劣等感やかき氷      

通夜の客黙を解きたる梅雨夕焼    

ひえびえと月の光を青簾       

黴雨ふかしパチンコ店の御行列    

梅雨空の半分明るくなりたるよ    

鶏が何か見つむる土用かな      

五月雨の街従容とドブ鼠       

若葉には静かに耐える充実感     

子を生みしこと六月の風と月     

伊那谷のルバーブ赤し星涼し     

演者の息観客の息ひろしま忌     

皇居てふ秘境自在に夏燕       

だまつてゐられるほつとする夕立

朗善 千津

木村 菜月

小木曽仁子

石川 秀治

山崎志夏生

董  振華

原田 桂子

岡崎 弥保

朗善 千津

深津 健司

半田 真理

石川 秀治

山崎志夏生

小鳥遊 彬

浅井 敏子

盛田 道子

石川 秀治

山崎志夏生

成松ちあき

武部 一成

朗善 千津

盛田 道子

マルティーナ・ディエゴ

梅岡みちる

栗山 幸枝

湯本 知代

田中 啓介

半田 良浩

後藤  洋

木寺 洋子

岡崎 弥保

依田 百合

田中 啓介

半田 真理

マルティーナ・ディエゴ

勝俣 山猫

宗像眞知子

原田 桂子

半田 良浩

井上 薫子

石川 秀治

山崎志夏生

董  振華

渡辺 行子

深津 瑩子

岡崎 弥保

成岡ミツ子

木寺 洋子

 


記:田中啓介


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