例会トピックス 

第286回 藍生2月例会

(平成31年2月10日)
文京文京シビックホール会議室1・2
にて


主宰ご出句                     

  選句天職雪を聴き花を待つ

   ことしも賜る

  石牟礼忌さとうかしこのチョコレート

  あはゆきの熄む尼さまと語る間に

   二月十日

  雪中紅梅石牟礼道子微笑

  零下二十度鈴木牛後詠みて書く


特選句

 

 

春を待つ空の鳥籠地に重ね      

節分や寺の出店の花林糖       

八ッ岳へ打ち甲斐駒へ打つ年の豆   

追儺果て雨に獣の匂ひふと       

錠剤のその数合はず冴返る       

立春に生れたる蠅の小ささよ      

怒り消す消しゴムもある凍ゆるむ    

脚そろへ風となりゆく都鳥       

就中紀州青石梅一輪        

白サンゴ・ジュゴンのレクィエム寒緋櫻

住み替へしことなく古稀の雛の間   

閉ぢ込めて小箱いつぱい桜貝      

結論は飛ばず走らず着ぶくれて     

通行人に踏まれゆく年の豆       

大寒満月国宝佛遙拝          

猫のひげ春の四隅に触れにけり     

一の午先祖なにがし家捨つる      

独活の荷の届きて二月始まりぬ     

髪切つて寒星探しつつ帰る       

運び込む薪の中より蝿ひとつ      

早春の心に浮かぶ芥子青し       

荒涼の草木世界初蝶来         

二月てふ栞のやうな月に入る      

「出かけるね」遺影にふるる春しぐれ  

声細く福豆をまく少なめに      

雪の日のことばゆつくり積もりけり  

家に帰れば豆撒きの済みてゐし

小池 啓子

盛田 道子

原田 桂子

宗像眞知子

浅見 宏子

成岡ミツ子

明 惟久里

仙波 玉藻

武部 一成

鈴木比佐雄

植村やよひ

半田 真理

半田 良浩

小木曽仁子

深津 健司

はたちよしこ

内山 森野

半田 真理

盛田 道子

原田 桂子

朗善 千津

深津 健司

竹内 克也

浅見 宏子

半田 良浩

岡崎 弥保

深津 瑩子

 


記:田中啓介


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