例会トピックス 

第293回 藍生10月例会

(令和元年10月13日)
文京シビックセンター区民会議室1+2


主宰ご出句                     

  野分近づく本郷の夜の蝉

  何はともあれ筆写して野分待つ

   金子兜太|百年祭in皆野

  秩父往還露草の青に日矢

  おへんろに秩父の秋の夕螢

   皆野町文化会館 満席

  一遍忌すなはち兜太百年祭


特選句

 

 

水の秋この前泣いたはいつだろう   

台風来命守れとラジオ言ふ      

鉦叩この世このままこのままに    

元吉原界隈障子洗ふ頃        

秋嵐は去り玄関にヒース置く     

収容所へ鉄路真まつすぐ草の花    

天心の月鳴りいづる野分あと     

蚯蚓鳴く人手不足声掛からず     

栗飯を黙つて炊いて黙つて盛る    

颱風一過石塊踏んで句会へと     

黄河秋声漣のその延々と       

稲光一室にゐるだけの二人      

無患子や衆生歓呼にわれの黙   

アウシュビッツ献花の壁の露深し   

句集編むことにも倦みて夜食とる   

老人が珈琲を挽く秋の暮       

秋夕焼兜太師の声山々に       

虫の音や毎日すこし字を書いて    

十三夜母の残せし切手美し      

大雨の後露草の空の色        

背にあたる夜風白花曼珠沙華     

曲流るるショパンの生家小鳥来る   

墓買うて秋刀魚を食うて帰りけり   

紙芝居のせて自転車秋りりりん    

野分晴まつくろに落つ俺の影     

天高し父は八十三歳に        

青鮫の来る真夜中の月光界      

秋刀魚喰ふ髭爪髪を伸ばしつつ    

ずつしりと山栗とどく叔父貴より   

バス降りて月のひかりを歩きけり   

そこにあるだけでいい山粧へり    

芭蕉葉の夕焼けて月見御膳来る    

待ち合はす父の見ている葉鶏頭 

梅岡みちる

梅岡みちる

石川 秀治

山崎志夏生

園田秋桜花

原田 桂子

木寺 洋子

田中 啓介

石川 秀治

山崎志夏生

董  振華

岡崎 弥保

董  振華

原田 桂子

深津 健司

朗善 千津

渡辺 行子

石川 秀治

武部 一成

古橋 淑子

石川 秀治

原田 桂子

深津 健司

岡崎 弥保

竹内 克也

明 惟久里

木寺 洋子

田中 啓介

竹内 克也

武部 一成

後藤 清美

朗善 千津

梅岡みちる

 


記:田中啓介


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