例会トピックス 

第282回 藍生10月例会

(平成30年10月14日)
文京シビックホール会議室C
にて


主宰ご出句                     

   米つくり引退

  山本浩これが最期の今年米

  やれることやつて台風外れし朝

  栗ごはん炊かんとすれば松茸来

   八十三歳組合に田を渡す人

  田を返すこれが最後の今年米

   東京女子大百周年 対話講演

  尼さまのもとより無頼野分晴


特選句

 

 

秋の虹TOTAを読むや一息に    

草紅葉ひとには告げぬ幸不幸     

真菰咲く六道に句を拾はれよ     

つきの夜に迷ひひとの世には惑ふ   

家購うて猿の腰掛ついてきし     

秋深き銀座にひゞく男靴       

惑ふヒト惑はない星秋刀魚煮る    

体育の日や溝浚へお手伝ひ      

指宿は寝ねけり音もなく秋雷     

秋の蝶踏んで口中ざらざらす     

葡萄もぐ両手たちまち海になる    

真つ先に芒暁けゆく家に棲む     

暮の秋使はぬ免許更新す       

皿小鉢たんと捨てたる秋の風     

星月夜一朶の雲もなかりけり     

店の奥に蓑虫のやうな女       

新築の家に灯の入る秋の暮      

妬み嫉み僻みより栗ご飯       

無花果の熟るる生家に姉と寝ね    

こぼれ萩どなたも鐘を小さく撞き   

農家より農家へ嫁ぎ稲を刈る     

桃も終りねとジューススタンドの娘  

秋灯のひとりにひとつふたりかな   

あたらしき落葉の匂ひ嗅ぎ分けて   

わが庭の一本で足る曼珠沙華     

死ぬまでは生きて二枚の障子貼る   

山澄んで山に囲まれゐると知る   

盆栽の三葉通草も熟れにけり     

物の音澄む使はぬピアノ磨かれて   

なつかしき友の声あり衣被      

かはくまで手に置く柿の紅落葉    

茸鍋子ら息災にあらばよし      

山頭火忌そして芭蕉忌雨となる    

ひと粒のしづかに重き蘇鉄の実    

葡萄酒醸すをみならすべてを担ひ   

虫時雨夜を削りゆくけづりゆく    

洞門の秋潮の底あをあをと      

黒髪のふつさり椿の実二つ      

尼さまは法衣は黄色秋晴るゝ     

月光や余生に適ふ歩を進め      

零余子拾ふ大人の嘘を知りしとき   

半田 真理

小木曽仁子

深津 健司

後藤  洋

盛田 道子

朗善 千津

半田 良浩

田中 啓介

大矢内生氣

三好美津子

小田 静世

深津 瑩子

梅岡みちる

浅見 宏子

深津 健司

山崎志夏生

城下 洋二

佐柳恵美子

後藤 清美

植村やよひ

仙波 玉藻

山崎志夏生

平尾 信子

朗善 千津

山村さわ子

小田 静世

さとうかしこ

依田 百合

小池 啓子

湯本 知代

井上美保子

平尾 信子

小池 啓子

竹内 克也

木寺 洋子

植村やよひ

原田 桂子

半田 真理

岡崎 弥保

後藤  洋

内山 森野




 


記:田中啓介


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