例会トピックス 

第270回 藍生5月例会

(平成29年5月7日)
会場:文京シビックホール会議室
にて


主宰ご出句

なつかしきこの世なりけり花の友

雨音にしだるる花のひかりかな

雨激しくて花満ちて光り合ふ

雨音のあふるるしだれざくらかな

  こののちは

考へる書く稼がない青葉木菟


特選句

 

 

古書街に古きタンゴの五月風    

鎌倉に土の匂へる余花の雨      

衣更へて万年床の夫を看る      

山桜まだ新しき焼却炉        

よくねむる欅若葉の下ならば     

遠雷や祭の記憶のみ鮮明      

春暁の雨の余白を眠りけり     

代掻や慕情引きずりたるままに   

耕して水来るを待つ山櫻      

水掛けてやるから生きよ青蛙     

葉桜や遠き日のこと今日のこと    

山桜妹と捨て父の物        

島大臣とふ聳え立つ日の牡丹     

遺品の整理ひとくぎりめばる煮る   

葉桜やまつりのあとのしづけさに   

金蘭に継ぎ銀蘭の咲く林      

あの坂この坂とたどりつく泉     

ほんたうはアイロン嫌ひ夏来たる   

一団を見送りてまた耕せり     

鯉幟めでたき風の庭となる    

道ひとつ向かうは墓場青嵐      

撃つか愛すか大都市の野に遊び    

春惜しむ女の右に座りけり      

もの捨てて思ひを拾ふ今朝の夏    

夏めくや本郷台地越えて行こ     

朝顔の残月といふ種袋       

子供の日父に抗ふ眼をしたる     

朧夜に注ぐ過酸化水素水      

一日を励み働き夜の新樹      

空を飲むやうに水飲む立夏かな    

老兵も島も黙つて夏に入る    

ふいに現はれたる夏蝶の行方     

古山智也子

岡崎  淑

小池 啓子

岩谷美津子

竹内 克也

半田 真理

中田千惠子

勝俣 山猫

内山 森野

山崎志夏生

山村さわ子

岩谷美津子

智久 薫子

岩谷美津子

小田 静世

石橋玖美子

半田 真理

平尾 信子

成岡ミツ子

植村やよひ

後藤 清美

勝俣 山猫

竹内きくえ

岡崎 弥保

半田 良浩

仙波 玉藻

山村さわ子

増田眞理子

深津 健司

石田 六甲

秋山 洋一

山村さわ子

 


記:権瓶 玲子


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