例会トピックス 

第269回 藍生3月例会

(平成29年3月12日)
会場:文京シビックホール会議室
にて


主宰ご出句

花に問へこの深山なる花に問へ

なかんづく秩父久月櫻待つ

  榊家より賜る

修二會椿のこの一枝莫山と

初蝶来記憶の蔵の扉を引けば

蕗のたう田楽にして三つづつ


特選句

 

 

しかできぬ三月十一日      

如月の記憶震災詩歌展        

雛の灯や空には低き月の舟      

子育てに悔いある母と雛納む     

区切などない三月十一日       

震災忌海がだんだん遠くなり     

総身の恋の猫なり疾走す       

春時雨あがりしけさの旅心      

お道具の鏡を磨く雛納        

みちのくの塩弾ませて若布解く    

ゆるしがたきものまつりごとはるのあめ

のどかのどかコップの底の義眼    

啄木忌雑巾固く絞りけり       

子の子待ちひとり遊びの雛の灯    

考へる時は石蹴る春の昼       

山茱萸や呼び掛けられて黙す    

春の風邪誰の役にも立てません    

春の土ぽふつと踏んで握り飯     

古雛芯まで髪の冷えゐたる      

春禽へ小さき口笛返しけり      

春の闇下駄を鳴らさず去りにけり   

丈低き梅束ね売る海女の家      

鶯の小径に出でて雨上り       

友達の母さんが好き沈丁花      

釜の湯を滾らせて待つ白子舟     

岩海苔を掻く太き指太き腕      

春愁また三つ編みを編みなおす    

春一番石屋のいつか売れる石     

豆雛あまた並べて母の家       

ヒヤシンス頭のよくて字もきれい   

鳥曇中に一通督促状         

盆梅の真青な枝を整へる   

成岡ミツ子

依田 百合

原田 桂子

後藤 清美

岡崎 弥保

小木曽仁子

平尾 信子

岸 きよこ

内山 森野

掃部けいじ

岡崎 弥保

山崎志夏生

軽部  梢

深津 瑩子

石田 六甲

田中 啓介

竹内 克也

増田眞理子

深津 健司

石田 六甲

半田 良浩

盛田 道子

湯本 知代

山崎志夏生

原田 桂子

夢野 夢幻

半田 真理

掃部けいじ

竹内 克也

秋山 洋一

依田 百合

内山 森野

 


記:権瓶 玲子


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