例会トピックス 

第274回 藍生12月例会

(平成29年12月10日)
会場:中央大学駿河台記念館510号室
にて


主宰ご出句

涛音の月光の夢十二月

  三十八番金剛福寺

涛音の夢の奥より十二月

もりをかに白鳥を聴く青邨忌

言霊の石や師走の満月光

句碑林の寒月に濡れ雨に濡れ


特選句

 

 

小春日のやうな句集と人であり    

着ぶくれて傍観できるところまで   

落鮎のか黒き顔の尖りたる      

着ぶくれてしかも大きな貌であり   

バーボンに名札残して荒星に     

肩布団整へ直し帰りきし       

鳥渡る王匿ひし小さき島       

君の名をふと忘れたる年忘れ     

日短か耐えて耳鳴不整脈       

もぎくれし柚子がごつごつ旅鞄    

いつの間に落葉のこころ落葉掻    

初咲きの水仙父にあげましよう    

夜の更けて二切れほどの蕪鮓     

あをあをと南国土佐の冬レモン    

天狼や音吐朗朗名告られし      

鈍色にしぐれて若き志士の像     

輪島より雪の匂ひの朱塗椀      

肩で風切るは子分よ酉の市      

替玉の声よく通る師走かな      

十二句碑冬の補陀落山に坐す     

お四国の最南端の冬入り日      

綿虫のしづかにふぶく石舞台     

指割れてほんたうの冬北信濃     

足摺にしづもる一山冬満月      

冬満月献燈句碑の初灯り       

冬満月柩の小窓開けしまま      

誰も彼もみな還りゆく十二月     

牧野いま零下二十度とて住まふ    

何となく日記買ふ心の軽し      

裸木や預金借金減つてゆき      

遡る四万十川の冬の靄        

ふるさとよ梟のこゑ猿のこゑ 

半田 良浩

岡崎 弥保

成岡ミツ子

竹内 克也

城下 洋二

浅見 宏子

大矢内生氣

入部 和夫

石橋玖美子

岡崎  淑

竹内 克也

三好美津子

半田 真理

依田 百合

深津 健司

依田 百合

北村 照子

夢野 夢幻

三好美津子

竹内きくえ

依田 百合

原田 桂子

内山 森野

成岡ミツ子

渡辺 行子

宗像眞知子

半田 真理

後藤  洋

内山 森野

田中 啓介

小木曽仁子

成岡ミツ子

 


記:田中啓介


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