例会トピックス 

第263回 藍生9月例会

(平成28年9月16日)
会場:文京シビックセンター会議室9にて


主宰ご出句

不知火の沖杳からず手を合はす

不知火や石牟礼道子八十九

沖の不知火われひとりなる岸辺

不知火や苦海浄土とつぶやけば

不知火のしばしひろがりゆくままに


特選句

 

 

老人劇団二度目の稽古秋はじめ    

鰯雲豚舎に死せる画家一人      

寂しきや紅なればこそ曼珠沙華    

散りしきし青ぎんなんの香を持たず 

我が地所へ我が稲かけて四代目    

灯さずに旅のをはりの夕月夜     

こころざしなどとうに無し踊るべし  

松虫草信濃追分駅一歩        

蓑虫の寄せ集む葉のまだ青し     

新涼や辰雄の書架に創世紀      

戸障子のからりと滑る十日月     

流星や柩に駒と将棋盤        

世阿弥の忌つるむらさきに花がつを  

北国の水澄んでジャワ更紗展     

稲光一閃海のきよらかに       

焼サンマ背骨に沿わす竹の箸     

喀血し肋骨切って爽かに       

すっぽりと秋になりけり雨上る    

ズボン脱げばなかにパンツのある秋思 

その他の虫の鳴き止む鉦叩      

棲み古りて水引草の金と銀      

福島の桃売りのゐた夏休み      

放哉と猫を名付けて秋刀魚焼く    

空色の朝顔空とちがふ色       

物言へば夫の応ふる盆の月      

無花果割りて夢の世の始まりぬ

古橋 淑子

小木曽仁子

湯本 知代

せいじょう美千

菅原 有美

中田千惠子

栗島  弘

加村 維麻

秋山 英子

加村 維麻

栗島  弘

植村やよひ

掃部けいじ

依田 百合

田邉 文子

菅原 有美

加村 維麻

古山智也子

山崎志夏生

小木曽仁子

深津 健司

半田 良浩

石田 六甲

古谷 裕子

原田 桂子

半田 良浩

 


記:権瓶 玲子


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