例会トピックス 

第260回 藍生4月例会

(平成28年4月17日)
会場:あうるすぽっと 会議室


主宰ご出句

   秩父限界集落なれど

  雨戸ひらけば地続きに花の山

  物は要らない櫻守墓守

  人のいのち櫻のいのちるべく

   秩父久月櫻山新井清翁

  さくらさくらさくらさくら植ゑしひと

   秩父久月櫻の里

  木の一生人の一生を花の山

  


特選句

 

 

七十の妹とをる春灯         

一艘に人立ちてゆく花の雨      

傘持たぬ少女のように濡るる花    

花満ちて満ちて誰にも会はぬ里    

初蝶のほかにもなにかひかりけり   

八つ手若葉さびしき光はなちける   

赤塚不二夫描きさうなほたるいか   

眼に迫る麦の青さや手紙書く     

花見酒愛されてゐる欠席者      

つぎつぎとの芽のびるなゐの夜も  

終着の駅一幹の花明かり       

目張り剥ぐや水音の立ち上がる    

子甲乙聞三寸甘茶佛        

天の億土へ言霊も花片も       

硝子戸にかかる雨音花終る      

まどかなる月さしのぼり初桜     

蕗味噌やまだ飢ゑつづく山の禽    

母のやうに姉の土筆の卵とぢ     

鶯の兄が弟に鳴き方を        

ひとりとはひとりなること蟇     

柵乗り越える新入生は吾が子     

葉桜やひとりにふたつ卵割り     

つつじ満開無関心装ひね       

鎌倉のまろき山々花祭        

蜷の道ほどの悩みでありにけり    

春荒や転がるやうに上京す      

生きてゐる姿を見たし桜貝      

仔猫呼ぶときに思い出のついてくる  

花は葉に紛れて生きて交わらず    

立ち止まりまた立ち止まる花吹雪   

げんげ田やどうにも腰の重き犬    

オレといふ言葉を覚え新学期     

飛ばぬ日の柳絮はひとつひとつ降る  

完走のゴールの先に花吹雪      

噴水の栓を開けたる落花かな 

栗島 弘

名取里美

山村さわ子

今野志津子

栗島 弘

竹内克也

大矢内生氣

内山森野

勝俣冬美

半田良浩

中田千惠子

内山森野

大矢内生氣

深津健司

門奈明子

原田桂子

掃部けいじ

平尾信子

小木曽仁子

権瓶玲子

名取里美

小田静世

田中啓介

田邉文子

竹内克也

半田真理

成岡ミツ子

園田秋桜花

秋山洋一

小木曽仁子

竹内克也

平尾信子

掃部けいじ

深津健司

内山森野 

 


記:権瓶 玲子


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