aoilogo2016年6月藍生主宰句
新茶奉る
黒田杏子

落花はじまるホームレスうづくまる
残花一幹雲上に啼く雲雀
  四月二十三日 明大アカデミーホール 二句
金子です村山ですと春は逝く
握手してみな旧き友百千鳥
たけのこ二本木綿風呂敷名入り
集会に行けねど憲法記念の日
青嵐あふちの花の香とおもふ
しづかなり雲間の雲雀聴けばなほ
早寝早起なみなみと新茶の香
出かけずに新茶を淹れて日が暮れて
手紙読む八十八夜新茶の香
  故 長岡隆祥師
なつかしき和尚に新茶奉る
けふひと日いそがず新茶注ぎ分けて
チエ・ゲバラ読了新茶とどきけり
身のどこも痛まぬ新茶濃く淹れて
新茶汲む賢きひとを遠ざかり
能登塩のおむすび函南の新茶
身と心自由不自由古茶新茶
新茶汲むしづかに坐して憶ふこと
来年のことはさておき新茶汲む


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