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黒田杏子
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落花はじまるホームレスうづくまる 残花一幹雲上に啼く雲雀 四月二十三日 明大アカデミーホール 二句 金子です村山ですと春は逝く 握手してみな旧き友百千鳥 たけのこ二本木綿風呂敷名入り 集会に行けねど憲法記念の日 青嵐あふちの花の香とおもふ しづかなり雲間の雲雀聴けばなほ 早寝早起なみなみと新茶の香 出かけずに新茶を淹れて日が暮れて 手紙読む八十八夜新茶の香 故 長岡隆祥師 なつかしき和尚に新茶奉る けふひと日いそがず新茶注ぎ分けて チエ・ゲバラ読了新茶とどきけり 身のどこも痛まぬ新茶濃く淹れて 新茶汲む賢きひとを遠ざかり 能登塩のおむすび函南の新茶 身と心自由不自由古茶新茶 新茶汲むしづかに坐して憶ふこと 来年のことはさておき新茶汲む |