例会トピックス 

第248回 藍生1月例会

(平成27年1月4日)
会場:東京文化会館会議室


主宰ご出句

ゆつくりと喜寿へといそげ切山椒

大根島より贈られし鉢牡丹
富貴これ食卓の辺の寒牡丹

読初む福徳稲荷縁起考

父のきて田鳧もきたる夢はじめ

小声なるをとこの仕切る初句会

            

    


特選句

 

 

筆跡が幸せと言ふ賀状かな

行く年の父焼く時の流れけり

年歩む来世へ一歩また一歩            

大吉を引きて怖るる初みくじ 

篝火に安堵を得たる除夜の人

ひろしまやひろしまの空初御空 

榧の木の高し冬天なほ高し

木の葉散る耳を澄ましてをればまた

七草の籠に若水すこし差し

御降りや終焉の地と決めをれば

初湯して一人になりにゆく二階

幾万の被爆死の魂初御空 

高く低く独り棲む母注連飾る

点滴のきざむ命や寒椿

いくさなき七十年の初御空

風が雪をさらふと友の初便り

あるだけの鉛筆尖らせて四日

角袖や父壮年の立姿

除夜の鐘聞こゆる家に五十年

生き生きと老いて信州冬野菜 

正面に富士まつすぐに初電車   

除夜の鐘誰にも会はぬ道帰り

女問ひ男うつむく十二月

胸奥の奥に聴きをり除夜の鐘

先々のことは楽観木の葉踏む

雑煮祝ふ歩けぬ母を歩かせて

幾億の霜柱踏み去られしと

繊月のひかりのとどく冬桜

向き合うてをりにけり年惜しみけり

   


勝俣 文子

沖山 充弘

渡部 金剛 

石橋玖美子

北村 照子

橋冨久子

田邉 文子

田邉 文子

深津 瑩子 

菅原 和子

秋山 洋一

橋冨久子

小木曽仁子

鷲尾 翹 

橋冨久子

浅見 宏子

山崎志夏生

深津 健司

深津 健司

加村 維麻

二宮 操一

深津 瑩子

竹内 克也

菅原 和子

鈴木 信幸

後藤 洋

沖山 充弘

鳥井 月清

栗島 弘

 


記:石橋玖美子


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