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黒田杏子
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あかあかと月桃の實の散る頃か 星とんで鶴見俊輔全詩集 稲光若人のこゑとよもせゐ 身のどこも痛まず蚯蚓鳴きにけり 福島文学賞俳句部門二句 選者六年霧霽れたとは見えぬ 選者六年天高しとは思へず 兜太先生96歳皆野町での祝賀会 生きのびて産土に佇つ月の人 いちじくを割つて個室に月を待つ 斃れたる後の月夜の一遍忌 でんわかけず受けず満月の真下 スーパームーンその真下まで車椅子 満ちて月十六日となりにけり 日野原先生104歳「104句」集を賜る 一〇月四日一〇四歳の一〇四句 早寝早起き秋の風秋の声 十三夜逢ふて訣別れしひとの声 睡り睡りてめざむれば十三夜 伊賀上野へ 選句して献詠一句はせをの忌 一茶百八十四回忌の選句 めざむれば枯野となつてゆくところ なつかしき十一月の旅鞄 |