aoilogo2015年11月藍生主宰句
はせをの忌
黒田杏子

あかあかと月桃の實の散る頃か
星とんで鶴見俊輔全詩集
稲光若人のこゑとよもせゐ
身のどこも痛まず蚯蚓鳴きにけり
  福島文学賞俳句部門二句
選者六年霧霽れたとは見えぬ
選者六年天高しとは思へず
  兜太先生96歳皆野町での祝賀会
生きのびて産土に佇つ月の人
いちじくを割つて個室に月を待つ
斃れたる後の月夜の一遍忌
でんわかけず受けず満月の真下
スーパームーンその真下まで車椅子
満ちて月十六日となりにけり
  日野原先生104歳「104句」集を賜る
一〇月四日一〇四歳の一〇四句
早寝早起き秋の風秋の声
十三夜逢ふて訣別れしひとの声
睡り睡りてめざむれば十三夜
  伊賀上野へ
選句して献詠一句はせをの忌
一茶百八十四回忌の選句
めざむれば枯野となつてゆくところ
なつかしき十一月の旅鞄


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