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黒田杏子
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寂聴さんの法話あり花祭 柏崎・高田・山中・金沢など八句 ゆるく束ねて雪割草かたかごと かたかごの斜面雪割草の崖 だんだんにだんだんに夕櫻かな 存分に老い存分に花に逢ひ なほ巡る七十七の花の國 道楽の花巡り山巡りきし おくのほそ道山中の飛花落花 金沢の古地図を辿る花時雨 四月十五日 藤平寂信師 九十二歳 五句 遊俳の大往生の花衣 酒のしみたるなつかしき花衣 花過ぎの湖想庵よりひやうと発ち 新茶供ふる大往生大往生 畳まれし寂信さんの花衣 手紙書く月の八十八夜かな 新茶くださる友の数存へて 選句して七十七歳新茶汲む 桐雨宗匠命名の 韋駄天はむかしのわたし夜の蛙 青嵐藜の杖を賜りて 立夏なる手紡手織草木染 |