aoilogo2015年6月藍生主宰句
夜の蛙
黒田杏子

寂聴さんの法話あり花祭
  柏崎・高田・山中・金沢など八句
ゆるく束ねて雪割草かたかごと
かたかごの斜面雪割草の崖
だんだんにだんだんに夕櫻かな
存分に老い存分に花に逢ひ
なほ巡る七十七の花の國
道楽の花巡り山巡りきし
おくのほそ道山中の飛花落花
金沢の古地図を辿る花時雨
  四月十五日 藤平寂信師 九十二歳 五句
遊俳の大往生の花衣
酒のしみたるなつかしき花衣
花過ぎの湖想庵よりひやうと発ち
新茶供ふる大往生大往生
畳まれし寂信さんの花衣
手紙書く月の八十八夜かな
新茶くださる友の数存へて
選句して七十七歳新茶汲む
  桐雨宗匠命名の
韋駄天はむかしのわたし夜の蛙
青嵐藜の杖を賜りて
立夏なる手紡手織草木染


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