例会トピックス 

第246回 藍生11月例会

(平成26年11月9日)
会場:あうるすぽっと会議室B


主宰ご出句

眼の見えて耳の聴こえて冬に入る

       93歳
鰤を待ちつゝ猪股凡生大往生

小春日や瀬戸内寂聴死に支度

    四十五年来の美容師
さざんくわ月夜ヘアカッター帰天

新そばを打ちはじめます待つてます


特選句
 

お辞儀して菊花離るるおばあさん

湧くやうに鈴鳴り来たる秋遍路

冬の虫よりもしづかに風過ぎる

一山の空をしめたる桐は実に

草紅葉造花一本地にささる

かまきりを垣根に移し遅刻する

鋭角に折れて安らぐ破蓮

円墳の濡れゆく秋の深さかな

虫売がゐて放課後の俺がゐて

要塞跡平和公園冬に入る

薄紅葉苑にしづかな一家族

一片の雲なかりけり竜の玉

菊花展われを見詰める菊の数

柿吊すための縄綯ふお婆さん

ふと明かりつきたる桜もみぢかな

大瓶に量る蜂蜜冬隣

岩礁の小さき鳥居も冬に入る

米櫃に米をうつして冬に入る

レース紙にサンドウィッチ冬に入る

意を決すついでに蜜柑剥いてをり

しづけさに重さのありて冬に入る

そのさきはゆけぬ綿虫消えにけり

秋深し薬缶に手置き沸くを待つ

冬運河崖の匂ひもさせてをり

欲張らず今宵立冬の満月     

   


深津 瑩子

沖山 充弘

小池 啓子

原田 桂子

村越  縁

秋山 英子

石田 六甲

後藤  洋

竹内 克也

秋山 洋一

田邉 文子

鈴木 信幸

石田 六甲

深津 健司

城下 洋二

山崎志夏生

中村 朋子

盛田 道子

半田 真理

秋山 洋一

小田 静世

成岡ミツ子

城下 洋二

秋山 洋一

剱持 育代

 

記:石橋玖美子


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