例会トピックス 

第243回 藍生6月例会

(平成26年6月8日)
会場:あうるすぽっと会議室B 

 

主宰ご出句

      や      
荒梅雨の熄めば深霧月匂ふ

荒梅雨の鎮まる銀河棒立ちに

ミナマタフクシマ列島の荒梅雨

螢火を遺して去りぬ男梅雨

語り尽くして山國の草螢

  

 


特選句
 

翳りきてますます高し桐の花

鎮めたきこころにソーダ水青し

漆喰のキリトリ線のやうに蟻

子ら植ゑしのちの田水のうす濁り

蛇昇る岩へおのれをぶつけては

窓あけてごきぶりの来る誕生日

ベランダに一陣の風茄子の花 

雲太る絹さやの筋引くひまも 

ほたる呼ぶ記憶のこゑの吾を呼ぶ

すずめにもからすにも卯の花腐し

めつむりて六十に入る心太 

見送りて帰りは一人初螢 

知る人もなき町なりき走り梅雨 

農大の塀越す実にも袋掛    

竹落葉吾の歩巾で歩く径   

満天の星座往き交ふ烏賊釣火 

蚕豆を剥く惑星の片隅で  

睡蓮のあをきひかりを宿したり  

故郷は滴る山の風の中   

ぴたぴたときてびたびたとさるはだし

少年の老いて桑の実盗みけり

淡海や植田あかりのその先に

懸崖の百合の繚乱芒種かな  

田邉 文子

古谷 裕子

山崎志夏生

後藤  洋

植村やよひ

増田眞理子

世古 一穂

中村 朋子

岡崎  淑

増田眞理子

田中 啓介

村越  縁

秋山 洋一

夢野 夢幻

後藤 清美

岡本 莞二

半田 良浩

半田 真理

岡本 莞二

半田 良浩

山崎志夏生

原田 桂子

中村 朋子




 

記:石橋玖美子


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