aoilogo2014年9月藍生主宰句
蓮ひらきつぐ
黒田杏子

  「藍生にいがた」勉強会 高田行九句
白蓮一辨放ちたる正午
どこまでもまひる高田の蓮一望
風招き風に崩るる白蓮
この世なる百万本の蓮の風
  岩関のぶお邸
灼くる灼くる八月三日蓮見亭
注ぎ分けて冷し甘酒越後びと
蓮の香の風蒼天にあふれつゝ
ご城下の蓮の風にまどろみぬ
  宮田屋にて句会
白炎天高田別院通りかな
広島忌長崎忌蓮ひらきつぐ
沈黙は金ですか蓮ひらきつぐ
  三日、夕刻より出雲崎に移動して「渚」句会に
水引の花瞽女さんの墓あれば
回生の凡太を囲む夏の果
       ※右膝半月板損傷
漁師凡太俳人凡太夜の蝉
  磯見漁師は
ぼろぼろの歳時記を繰る夜の秋
語る凡太を囲みたる月涼し
荒梅雨の明けたる銀河棒立ちに
  北国街道の老舗菓子店 三句
風抜けて涼し良寛さま坐像
大黒屋小黒孝一夏痩せて
肌脱ぎのひと語り継ぐ出雲崎


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