aoilogo2013年4月藍生主宰句
花を待つ
黒田杏子

探梅の道寂庵の木戸に尽く
 第三十八番札所金剛福寺さまより
函開けて足摺岬のこの藪椿
  白塔会一同
ヴァレンタインデー宮様に寄書を
莫山の筆墨と印余寒なる
脊梁山脈雪深ければ雪椿
雑草園よりの実生の雪椿
立雛水仙の香のはるかより
梅東風や長命寺より弘福寺
草餅派桜餅派と句座の午後
春雪の予報ぐつすり睡りけり
雛納めゆく雛店の十二代
往診の父手にかざす田螺籠
祖父母父母兄弟姉妹田螺飯
春月や机を拭いて一仕事
本売つて譲つて捨てて花を待つ


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