例会トピックス 

第226回 藍生9月例会

(平成24年9月2日)
会場:東京芸術劇場シンフォニースペース


主宰ご出句

夕虹のなほ刷かれゆく最上川

穂ばらみの出羽の蝗の日まみれに

月山と鳥海山と昼寝覚め

八月に生れて祈りの日のあまた

炎ゆる夏終るたつぷり顔に皺



特選句
 

邯鄲や汀に坐してゐるやうな

長き不在月の光に正座して

秋の蝶つかまへやすしすぐ放つ

石塀のまだあたたかし蝉生る 

蜩やにはかに森の遠ざかり

晩年がすぐそこにあり泳ぐなり

朝顔の深空へ還る縹色   

かなかなの止みてそのまま星月夜  

星とんで砂使ひきる砂時計

踊念仏農婦の鉦に稲の風

揚花火八日の月をどんと打ち 

つくつくしつくつくし道細くなる 

熱帯夜女の時間も停まつてる 

蕎麦洗ふ九月の水を手づかみに

頭痛肩こり夜目に真白き野分雲   

炎昼の芯をまつすぐ歩くなり 

雨音のなつかしくもある九月かな

いつよりか稲妻に胸すく思ひ   

墓洗ひ花手向け己に還る      

野葡萄のはや海のいろ空のいろ   

草にねて流星群のただ中に 

きつねのかみそり雲を呼び雨をよび

梨もらふ夜に小さな立ち話 

東京に残るしづかな盆の入  

深津 健司

成岡ミツ子

山崎志夏生

井上 英子

寺澤 慶信

田邉 文子

依田 百合

深津 健司

原田 桂子

加村 維麻

原田 桂子

石橋玖美子

小杉 一生

栗島 弘

深津 瑩子

田邉 文子

後藤 智子

河村 晶子

高石 遊行

名取 里美

原田 桂子

寺澤 慶信

葛山 由博

城下洋二

 

記:石橋玖美子


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