松の木の上に月あり夏祓　　　　

御旅所に並ぶ御神酒のみな地酒　

途中から傘さして行く朝顔市　

夏椿散るひろびろと夜がある

虹くぐり古びし家に帰り来し

走馬灯二夜廻りて忘れられ　　　　

月光のむらさき蛍火のみどり

あるじ待つ犬も朝顔市の景　　　　

棲み古りて名前をつけし蟇の貌　　　

高低のありて平らや蓮の池　

語りかけるやうに螢の来りけり　　　

ほうたるのはたりと墜ちて岩照らす　

蛍のひかりすとんと草の上　　

そののちは水を飼ひけり金魚鉢　　

話しかけるたびに蛍の増えゆける　

繊月や庭に散り敷く夏椿　　

蜘蛛のみを友とし地獄過ごしけり

掃苔や髪撫でつけてはは祈り　　　

山梔子のひとつ開けばまたその香

新聞紙西日の中をきて匂ふ　　

今野志津子

半田　良浩

盛田　道子

田邉　文子

桑田津海坊

中田千惠子

竹内　克也

石橋玖美子

深津　健司

盛田　道子

鈴木　信幸

寺澤　慶信

原田　桂子

太田すなほ

石田　六甲

田邉　文子

夢野　夢幻

原田　桂子

厨　　惠子

秋山　洋一