いづくかで母闌春に憩ふらむ

釘打たぬ白き棺や春の雪

若草や斜面を降りて艇庫まで

弥生望月花を待つ散るを待つ

婆三人ただ梅の香を浴びにけり

だんだんに哀しや春を正座して　　　

信州雪解室出しのあを大根　

朝がくる夜がくる落椿びつしり

西行忌職場研修重ねゆく　　

白魚を食いたかつたとひとりごと　

春さむや街の本屋の最終日　　

花人となりし二人のお弁当　　

暖かし借金申し込まれけり　

大切なこと白木蓮に思ひ出す

花さんしゆゆ歩く速さで生きてゐる

春宵や月をまなかに星二つ　　　　

トロッコの霞の中を走る音　　

初花や古き駅舎に日の溢れ　　　　

かうがうし春耕済みし畑の色　　　　

峠より見えて山湖の通し鴨　　

大寺の雪囲ひ解く音谺　　　　

鳥帰るくの字しの字に空揺らし　

ネクタイを投げて仔猫を驚かす　　　

一鉢は日陰すみれといふ名もち　　

満行のことなど少し海苔あぶる

喜びの一隅となり桃の花　　　　　

高橋亜紀彦

丑山　孝枝

秋山　洋一

無　　尽蔵

竹内　克也

権瓶　玲子

城下　洋二

田邉　文子

藤田　惠里

半田　良浩

竹内　克也

鈴木　信幸

田中　啓介

はたちよしこ

竹内　克也

寺澤　慶信

田中　修明

城下　洋二

植村やよひ

加村　維麻

深津　瑩子

植村やよひ

山崎志夏生

秋山　洋一

半田　真理

古橋　淑子