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黒田杏子
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「件」の会夏休修学旅行山形行 五句 そば咲くやバス停細谷医院前 月山と鳥海山と昼寝覚 芦野又三八十歳夏炉守る 「あらきそば」主人 月山と鳥海山と夜の九月 つや姫の新米のこの塩むすび 墓蛇笏すすきかるかや吾亦紅 剪りたてのこの香暗緑吾亦紅 秋草の繚乱ゆく小径ひとつ 雨意あらた秋明菊ときちかうと しろがねの三千坪の露の玉 金剛にまさる白銀露葎 どの径をゆけどあしたの蟲淨土 一遍忌秩父事件を語りけり 九月二十六日 森敦生誕百年祭 森宮子さんに 於 東京会館 月満ちてゆく百歳の父と娘に 月今宵鳥海山と月山と |