aoilogo2012年7月藍生主宰句
伊勢菖蒲
黒田杏子


  五月初旬黒羽「花月」に滞在。六月に除幕の碑に刻む句を染筆 四句
満月やいづこより余花二三片
八溝山より漂着の余花白し
那珂川の濁流に乗る余花の数
地震津波竜巻満ちて月立夏
 榊莫山展(三重県立美術館)行及び榊一邑回想合はせて六句
衣更へて妻の詩二篇墨書され
新茶捧げむ絶筆の銀屏風
日ののぼりくる菖蒲田を庭の内
雨音の三千坪の若葉冷
伊勢菖蒲白濃むらさきはたと暮れ
伊勢菖蒲金環蝕に走り咲く
 T.トランストロンメル氏ほかをめぐってのシンポジウム 5月8日(火)9日(水)・於スウェーデン大使館
月涼し北欧の句の三行詩
蕗あをく煮て金環の日と月と
庭牡丹崩落金環蝕一刻
菖蒲田の径母と往き母と暮れ
結願ののちのしづけさ青葉雨


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