例会トピックス 

あんず句会(藍生関西11月例会)

 (平成24年11月16日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:時雨・小春日・大綿


主宰ご出句

芭蕉の兄への最後の手紙

軸装の遺言一幅しぐれけり

   伊賀上野芭蕉生家
ひとにふるさとふるさとにしぐれ雲

しぐれ忌と書きてたちまちしぐれけり

   伊賀上野にて
莫山先生曹人大兄時雨虹

   しぐれ忌俳句大会伊賀上野にて
しぐれ聴く母の名を聴くとほくきて


 

特選句
 

黄昏てやがて忘れて時雨けり 

しぐれつゝ弁天の嶋茜射す

背を向けし記憶の底の雪螢

うすぐらき座敷に通す冬初め

小春日のガラスに触れてゆける音

大綿や蚕の里の湖暮るる

いつか見し高野大綿虹の色

葛湯解くいくつも訣れくり返し

小春日やいくさはせぬと教へ来て

初時雨ひさしの広きルイ・ヴィトン

鮟鱇の半値となりぬ午後六時

嵯峨しぐれ竹の高きに風をおき

日と翳のあはひに生るる雪螢

冬立つやボーイフレンド二人逝く

大綿とわかれて海へゆく電車

大綿のなかなか去らぬ屋敷かな 

六畳に堂々一人小夜時雨 

氏野 光子

出井 孝子

曲子 治子

宮永 麻子

河辺 克美

奥  良彦

川勝 洋子

岡本 弘子

安土八重野

滝川 直弘

森本ひろ子

三枝 桂子

滝川 直弘

森本ひろ子

河辺 克美

たかぎちようこ

川那辺のぶ子







     


  記:寺島麻里


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