例会トピックス 

あんず句会(藍生関西11月例会)

 (平成23年11月18日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:爽やか・流星・露草


主宰ご出句

欠席(選のみ)    


 

特選句
 

北風の余さずに来る山廬かな 

綿虫や無神論者とおもはせて

レントゲン写真しぐるヽ窓に透く

酸茎より千枚漬の好きな夫

扉押すまでの逡巡冬の鵙

帰り花母を抱けば壺の中

千夜迷ひて一夜の白き返り花

時雨忌やしぐれの句碑に触れてきし

時雨るるや遺品の眼鏡くもりけり

返り花未来のことは何もない

寂庵のこの返り花麗はしき

短日や家族写真のちり拭ひ

大屋根に鴟尾を残してしぐれけり

冬の鵙声遠くなり涅槃像

鷹の空伊吹の空のま青なる

日のあたるとき蓑虫のきしきしと

姉傘寿揃ひの日記買ひ求む 

待つひとも待たれるひとも時雨れけり

しぐるるや昔語りを書き留めて

時雨るるや一宿一飯などと猫に

山栗の三千院の土産(つと)袋

枯葉舞ふ二度と逢へまいひあの世でも

帰る家見えて時雨の降りかかる

光悦の夢工房のしぐれけり 

ひと粒の米の力や初しぐれ

静さや寂庵に満つ返り花

嫌ひだから嫌ひといはぬ冬の鵙 

冬の鵙想ひの丈をたんと鳴け

踏み出せず戻れず柊花こぼす

あかときの残る虫にも目覚めけり

復興や仙台名取綿摘み女

一駅を過ぎて日のさす時雨かな

子の泣きて花の狂ひて晴れわたり

時雨るるや火の神なだむ窯の中

お火焚や受け継ぐものに教へ継ぐ

無音世界切り裂いて飛ぶ冬の鵙

福島にあまたなる稲架並ぶ日は

人嫌ひに拍車かかりて冬に入る

地震津波台風狂ひ咲き多し

父起こし十一月の月を見し

偲ぶ他なきこのごろを返り花

行くあてのあるとも見えず雪蛍   

橋本 榮治

滝川 直広

出井 孝子

安土八重野

岡本 弘子

今坂 雅子

   〃

井崎ユキ子

中村 昭子

   〃

茶谷 幸子

洲崎 展子

奥  良彦

小西 裕子

長  晴子

たかぎちようこ

橋本 良好

植田 珠實

宮田 泰子

曲子 治子

横山 笑子

藤平 寂信

寺島 麻里

清水 憲一

今井わこ

   〃

森本ひろ子

杉田百合代

氏野 光子

安井加余子 

波谷 櫻女

春木喜代美

河辺 克美

宮永 麻子

   〃

小川 裕子

北垣みどり

篠田くみ子

さとうかしこ

木寺 洋子

河村喜代子

   〃  







     


  記:氏野光子


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