例会トピックス 

第210回 藍生11月例会

(平成22年11月7日)
会場:池袋芸術劇場大会議室

主宰ご出句

寝る間惜しんで選句して神の留守

佛壇も神棚もなし夜なべして

  兄弟子古館曹人さん九十歳
死仕度完了銀河鉄道発車



特選句
 

道の辺のはげしき漆紅葉かな

しぐるるや津南の蟹が土間に来る

熟柿落つこうまでも身を打ちつけて

卓に置く木の実に翳の生まれけり

初しぐれ今日はココアを進ぜませう

川沿ひを中学生の落葉掻 

晩秋やずい分高くとぶ鴉 

抱き起こす紫苑に背中あるごとし 

音もなしひとり大きな掘炬燵  

後の月ちひさき塾に自転車に 

月にとどきぬ一筋の茜雲 

選ばれて種の瓢となりにけり

どんぐりに転べば男の冷たき手

どんぐりを手にころがしながら帰る 

鵜に追はれゆく初鴨の一家族 

見つからぬ墓石紫式部の実 

ものを干す指の先より冬に入る 

蒼白く蚕は睡る星月夜 

行く秋の雲の動きをみてゐる子 

楽に寄す十七音字良夜なる

一の酉だね行かないか抜けだして 

ひきとむるやうに木の実の降りつづく

耳栓を抜けばたちまち秋の昼 

ついてくる十一月の影法師 

その人の心となりて秋惜しむ

訪へば明りつきたる秋の暮

中村 朋子

山口都茂女

渋谷  澪

寺澤 慶信

江上 洋子

神保 洋子

二宮 操一

秋山 洋一

半田 良浩

植村やよひ

渋谷  澪

小木曽仁子

花房 央子

田邉 文子

浅見 宏子

田中 啓介

竹内 克也

深津 健司

田中 修明

花房 央子

半田 真理

成岡ミツ子

山崎志夏生

今野志津子

田中 修明

城下 洋二

 

記:石橋玖美子


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