例会トピックス 

第207回 藍生7月例会

(平成22年7月11日)
会場:池袋芸術劇場大会議室

主宰ご出句

お形見の八重山上布芭蕉布も


     さる方の
こゑの名残りを天心に梅雨の月


     半世紀の昔

いちにん

一人の死して六月十五日

 

 


特選句
 

へこみさうなやはらかな闇螢狩

鬼灯市夕風あをくにほひけり

歩きつつ心やすらぐ夏落葉

すつぽんのどこへもゆかず夕焼くる

金魚売畑の中をやつてくる

梅雨夕焼東京堂へ本買ひに

真昼間の手を訝しむ蜥蜴かな

手に触れし畳の固さ昼寝覚

陰囃子しづかに盛ん夏芝居

金亀子襟元外し勤めをり

この恋は誰も知るまい蟻地獄

未使用の小さき浴衣たたむ母

その奥に暮色のつもる青茅の輪

待つて待つて待つて第三泳者飛ぶ

わづかにも闇揺らしけり雨螢

ぬれ髪の四万六千日詣

青梅雨を蝶の沈んでゆきにけり   

大空は水底夏至の月ひとつ

角曲がるやうに六月去りゆける

ほうたるの天地にしのびこんでゐる

螢や闇の深さを子は知らぬ 

空つぽの我に蓮田の風よぎる  

はたちよしこ

深津 健司

田邉 文子

山崎志夏生

剱持 育代

二宮 操一

山崎志夏生

石橋玖美子

江上 洋子

田中 啓介

江上 洋子

半田 良浩

今野志津子

山崎志夏生

深津 健司

成岡ミツ子

栗島  弘

今野志津子

石田 六甲

竹内 克也

村越  縁

竹内貴久枝

 

記:石橋玖美子


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