山菜を採りにふたりで行つたきり
　青葉木菟記憶の川を遡り
　　　開発急速にすすみ
　寂庵の句座そのむかし青葉木菟
　　　蛇笏・龍太氏の
　たそがるる山廬なりけり青葉木菟
　青葉木菟子遍路祖母を寝かしつけ

息子を怖る病む母に緑さす　

筆洗の水のかかりし蕨かな

乱鶯のこゑかちあつて火のにほひ

麦の秋頭をあげて生きてゆく

青葉木菟冥土の嬶（かかあ）の悋気かな　

片蔭に精神科医の煙草喫む　

露店留守札「そらまめは一時から」

二番目に蚕豆が好き三杯目

麦秋を貫く鉄路リヨンまで　　

なみなみと空ありにけり田植前

我にまださまよふ力青葉木菟

麦秋の琵琶湖眺めて肚（はら）括る

豆になる運命なればそら豆に　　　　

單衣着て雲を見るのが趣味といふ

夜々あをき空さみしいか青葉木菟　

祭見にゆかむと蜥蜴みてゐたり　　　

退院や百合を胸よりやや離す

青葉木菟啼いて絵本のページ閉づ

八歳の子にある昔豆ご飯　　　　

　合田　圭希

曲子　治子

滝川　直広

さとうかしこ

藤平　寂信

滝川　直広

七波　真理

寺島　麻里

出井　孝子

青　天　子

曲子　治子

藤平　寂信

寺島　麻里

河村喜代子

米田多美子

河辺　克美

滝川　直広

中村　昭子

安土八重野