しんしんと高野春雪花万朶
残花なほ寂庵の句座雨を聴く
雪中の高野太閣櫻かな
雪熄みて高野にひらく大櫻
花の木の雪の高野となりにけり　
　

熟練工花浴びながら花を掃く

金堂の天上に月そして花

桜さくら咲き満ちてただ散る桜

然る人の還俗惜しむ花の下

浄財を投ず薄墨櫻かな

宇宙まで女とばされ豆の花

諸子炊く竹生島へ雨の退りたる

幼子の怪力落花博ちにけり

耕して小机ほどの春の土

花満ちてまづ一滴の雨の音

坐して地に尼僧説法阿波おぼろ

もう一度信じてみたし朧月

朧かな如意輪時まで谷隔て

鍵ふたつ御堂にかけて夕櫻

池田　誠喜

永井　雪狼

金子　恵美

大澤　玄果

横山　笑子

今坂　雅子

橋本　榮治

佐々木　志う

曲子　治子

橋本　榮治

出井　孝子

氏野　光子

長　　晴子

鳥井　月清