例会トピックス 

あんず句会(藍生関西3月例会)
 (平成22年3月19日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:辛夷・啓蟄・鳥帰る


主宰ご出句

母の句の遠山ざくら山辛夷
          
こゑ残し白鳥雲にまぎれゆく

一本の山の辛夷が咲けば哭く

過ぎて人見送りて人初櫻
   きたかみ
白鳥一団北上の雲に入る 

 

 

特選句
 

夢よりも冥き処よ鳥帰る

啓蟄や上の間に声かけてみる

ボタン落ち啓蟄の地にはづみけり

コンサイス言海も古り鳥雲に

出て行くと言ふいかなごの頃と言ふ

辛夷咲く白き炎の鞍馬道

合格の子に徒遍路誘ひけり

湾に満ち一壺に満ちて春の雨

ぱたぱたと座敷に上がる鶯や

花便りしてしばらくは籠りけり

かなしみを聴く石のあり鳥帰る

ささやきの広がりてゆく木の芽山

花辛夷山のむかうに子が宿り

庭すみれひと叢ふえてひとつ老ゆ

セーターの穴をふたりで見つめてる

蹴飛ばしてみれば薄氷ほどの鬱  

鳥雲にジャーナリストの老い霽れて 

啓蟄や保津川下り開通す

青饅や線描の雨通りゐる   

レタス噛む日の差すほかはなにもなし   

暮れゆきて又見に行かん花辛夷     

戦後史のうすき教科書鳥雲に                     

 

 

植田 珠實

宮永 麻子

佐々木志う

畳谷 智代

安土八重野

清水 憲一

億  みき

橋本 榮治

宮永 麻子

曲子 治子

宮田 泰子

篠田くみ子

河辺 克美

佐渡寿美恵

植田 珠實

曲子 治子

藤平 寂信

合田 圭希

橋本 榮治

河辺 克美

中村 昭子

滝川 直広



記:曲子治子


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