大寒や虹の湖北に観世音　　　　　　　
巨き寒鰤佐渡の虹まとひきし
寒稽古嵯峨野僧伽に五十人
寒灸祖母のごとくに眼をつむり
京のもの詰合せたる寒見舞

聞く父も問ふ母もなし寒満月

大寒や百寿三万六千人

風花や激しく人をひきはなし

海女小屋の蛇口小さき注蓮飾

六道の辻を祇園へ淑気満つ

捌かれて寒鰤の骨長きかな

初夢の拔き差しならぬことばかり

大寒や聖鐘響く朱欒山

夜神楽や谷底に風吹きたまり

神棚の梅一輪の香りかな

狐火や尼僧に問うてみたきこと

海女の家の海藻七草粥美味し

みどり児よ存分に泣け淑気満つ

大寒や虹の根ふかく地にありぬ

奥嵯峨のこよなく晴るる初句会

退屈と呟やいてみる鏡餅

寒晴の空行くごとく地を走り

一撞の足裏にひびく除夜の鐘

寒林の光を追うて翳を負ひ

墓に水掛けて冬日を集めけり

しづけさの寒の牡丹の散りし音

寒風も托鉢僧も過ぎ寥寥

三井寺の秘佛の留守を冬桜

大出　勝重

寺島　麻里

今阪　雅子

中條かつみ

出井　孝子

篠田くみ子

曲子　治子

森光　梅子

橋本　榮治

川勝　洋子

出井　孝子

中條かつみ

大澤　玄果

滝川　直広

米田多美子

今阪　雅子

寺島　麻里

曲子　治子

米田多美子

橋本　榮治

三枝　桂子

今阪　雅子

永井　孔雀