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黒田杏子
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厭離庵より寂庵へ月今宵 とほき世の秋のほたるを遍路道 逢うて別るる一遍忌誕生寺 萩の風銀杏の風杖曳けば 青邨先生にご報告 秋草の墓前七十になりました 第50回記念出羽三山俳句大会 九月二十日 齋館泊 稲妻のまみどりそこに月の山 出羽三山疾駆暁闇稲光 願人の暁出羽三山秋の雷 悼 十月五日 二句 雲英先生すすきかるかや吾亦紅 秋草のはがき七枚読み返す 佐渡近江魚沼筑波今年米 月を待つ會津八一を筆写して 大徳寺 十月十二日 曝涼の庫裏松茸のごはんの香 宮さまの七十年を読む夜長 独り往け那須野ケ原の後の月 |
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