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黒田杏子
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神田美土代町「魚々家」 てるをかの爺さまの忌日初がつを 高浜虚子五十回忌花嵐 遠景にゆふべの櫻白魚飯 高野山別格本山金剛三昧院天然記念物ほか 十句 石楠花の樹齢を問はば五百歳 日光月光石楠花のひらき継ぐ 樹齢五百深山石楠花花の数 石楠花の時間にんげんを佇たしめ 濃きも淡きも石楠花の年古りて 高野山上石楠花の花の闇 月光を吸ふ石楠花のとこしなへ 梟の啼くよ石楠花高野道 月浴びて深山石楠花花こぼす 石楠花や護摩壇山に十日月 高野より寂庵までの桐の花 髪染めず爪染めず道すずしかり |