例会トピックス 

あんず句会(藍生関西3月例会)
 (平成20年3月7日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:芽一切、淡雪、水温む


特選句
  十一面観音在す雛の市         
くらくらと山河はありぬ梅ふぶく    
大徳寺真珠庵さまより初音       
生かされてをり紅梅の咲いてをり    
俳人の話相手に残る鴨         
淡雪を翼に柳原和子          
みどりごのあくびももいろ水温む    
駅までの傘はいらんぜ春の雪      
虫出しの盛大に鳴り目覚めける     
なかんづく醤油のにほひ春寒し     
貫乳のしろがねのおと水温む      
桜の芽六方踏むごとしだれけり     
半袖の少女吹かるる芽柳に       
淡雪やしうとめといふ役まはり     
弟はいつも気がかり木の芽風      
目つむれば遍路の祖父母土佐の海    
ふきのたう貴人しのぶに石ひとつ    
湖光けさ島の牡丹の芽を包む      
牡丹の芽ゆるみなき気に炎えにけり   
木の芽風番屋の旗を揺らしゆく     
淡雪のしみてうるほふ石畳       
残雪に足袋の冷たき墓参り       
豆雛静かに並べ母老いぬ        
嵯峨野今桜の芽ぶき一斉に       
風光る翔青飛ぶが如く駆け       
卒業子アルトパートをうたひきる    
霾晦(よなぐもり)母の嫁入り鏡かな  
七十路の途中草餅頂きぬ        
箱あけて出すたび雛悲します      
相輪に舞ひ淡雪の消えゆける      
浅春の棺を担ぐ絵師染師        
如月や取り分けておくのど仏      
人形と思へど雛の貌みつむ       
合格の淡雪瞼に解けゆける       
淡雪や地酒看板暮れのこる       
食堂に湯気濃く立てる遅日かな     
家中にいかなごを煮る母の香や     
三月の雪ある雑木林かな        
鳥ぐもり人はかなしみ重ねつつ     
雪解けておほきな星がひとつづつ    
白梅は姉紅梅は下の姉         
いかなごを煮る新調の鍋ふたつ     
牡丹の芽ほぐれふたかみ雨しばし    
水温むフルーツサンドミルクティー   
黄昏の胸にとびつく柳の芽       
この道は黙してゆかむ濃紅梅      
あけぼのを淡雪ゆつくりおりてきし   
なんとなく好きなその木の芽吹きけり  
千体の佛ふりむく春の雪        
手摺りなき行者橋馳せ卒業す      
箸置にガラスの雛旅の夜の       
廃校の太き閂芽吹きけり        
身の丈の杉苗を植ゑ山おりる      
春星座法印職を了へられて       
淡雪の星の煌めく夜なりけり      
寂庵の弥生ついたち写経して      
春雷の音ころげくる子犬かな      
降る火の粉のぼれる火の粉修二会僧   
修二会の火三月堂の闇へ飛ぶ      
寒がりの夫の忌日を春の雪       
ものの芽や大和巡礼促しぬ       
金魚田の幾千枚の水温む        
囀や車磨いてゐる和尚         
巣作りの青鷺の声日もすがら      
ほんたうは呆けてをらぬ春の雪     
稽古日のもんぺ利休げた牡丹雪     
淡雪やすこうしほゝけやさしゆうに   
ものの芽やしつかりものの嫁の来て   
淡雪や人身事故を告ぐる駅       
淡雪の応へるこころはかなしや     
読み書きを芽吹くもみぢの窓辺にて   
バラの芽やねむるばかりの姉見舞ひ   
鶯の身の丈ほどに春の雪        
橋本 榮冶
   〃
   〃
永井 雪狼
   〃
出井 孝子
   〃
藤平 寂信
   〃
河辺 克美
   〃
中村 昭子
   〃
橋本  薫
金子 恵美
氏野 光子
滝川 直広
   〃
   〃
中條かつみ
大澤 玄果
   〃
畝 加奈子
   〃
   〃
水木 風子
     〃
井崎ユキ子
   〃
清水 憲一
曲子 治子
   〃
洲崎 展子
大出 勝重
宮永 麻子
田浦伊久子
藤田 翔青
畳谷 智代
   〃
   〃
安土八重野
   〃
三枝 桂子
太田 智子
今阪 雅子
   〃
寺島 麻里
   〃
岡本 弘子
阿部 輝子
中川 恭子
   〃
茶谷 幸子
長  晴子
荻野りゅう
   〃
宮田 泰子
渋谷  澪
   〃
億  みき
杉田百合代
   〃
河村喜代子
   〃
植田 珠実
佐渡寿美恵
米田多美子
   〃
永井 孔雀
水谷 紀子
佐藤 静江
   〃
角谷 彩子





















記:寺島麻里 写真(c):長 晴子


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