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菜の花や雨はしづかに海つつみ
晩年かも知れぬ梅が咲ききる
眼をさます桜の雨の音の中
愚かなる眼に目薬を初桜
卒業す盲導犬を壁に向け
つかのまのいのちあとさき桜咲く
夕星に火を焚きて雁送りけり
まひるまの初音中野区新江古田
連翹や指人形の皆笑ふ
山桜ひとと見てきし夜半の荒れ
糸桜灯の入るまでを待ちにけり
夕日とどく枝より桜ひらきゆく
あはゆきのして陰膳のまねごとも
苦しめばもつと近づく花の闇
谺して月明りまた花明り
山桜夕暮の風聴きに立ち
鳥雲にとつちめられに帰る家
人に逢ふやうに来てをり糸ざくら
菠薐草に雨粒とかめ虫と
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城下 洋二
藤井 正幸
栗島 弘
尾崎じゅん木
植村やよひ
小田 静世
野木 藤子
成岡ミツ子
岩井久美惠
二宮 操一
寺澤 慶信
城下 洋二
大矢内生氣
田中 浩子
山口 恭徳
田邉 文子
桑田津海坊
二宮 操一
深津 瑩子
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