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    山寺のいとにがかりし蕗のたう    
      春泥の轍一途に海へ向く       
      夢の奥にもこぼれけり雛あられ    
      蜆舟大きな船の通りけり       
      東京駅構内春の愁ひ満ち       
      幼くて膝送りして雛の客       
      白樺の林白樺の雪解風        
      あかつきの火の粉となりて鳥帰る   
      日曜は休むべし糸瓜蒔く夫よ     
      ちちははの写真の下に雛飾る     
      囀りや父より小さき祖父の墓     
      啓蟄の蟻急くこともなかりけり    
      らふばいのとほくに見ゆる目覚めかな 
      花の香をときには疎む遅日かな    
      早鰹腹におさめて故国発つ      
      通し稽古のつづきたる雛の夜     
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    岩井 久美惠 
      牛嶋 由美子 
      大貫 瑞子 
      長尾 美知子 
      徳重 真理子 
      江上 洋子 
      有住 洋子 
      野木 藤子 
      村越 縁 
      深津 健司 
      石橋 玖美子 
      柴山 正子 
      今野 志津子 
      石橋 玖美子 
      牛嶋 たけし 
      岡崎 弥保 
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