aoilogo2007年9月藍生主宰句
暁ひぐらし
黒田杏子

雨にひらける桔梗と仙翁花
ほたる火や島に世阿弥の坐り石
ほたる火や人に死に時訣れ時
ほたるとぶちちははのかほ兄のかほ
白地着て出る大川のほとりまで
青梅雨を聴く向島百花園
七夕の竹伐り出だす百花園
祝直木賞「川上」さんに
けさひらく大山蓮華父と娘に
虹二重新七今朝子東山
辣韮も七瓩漬けしむかしかな
盆波を雨の佃に見て暮るる
母とこの初ひぐらしを聴きし宿
野上・白洲・鶴見お三方の系譜は
山姥の弥生子正子和子涼し
すこし冷やす二合の酒のふたりにて
金剛峯寺奥の院日野西眞定維那さま
献灯の暁ひぐらしの天地かな


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