aoilogo2007年7月藍生主宰句
みなづきの月光
黒田杏子

四月二十二日坂東吟行第十八番補陀落山中禅寺
猿跳んで雉子の啼いて雪解瀧
観世音のほとり雪解湖のほとり
残雪や?りてこころ立て直し
森光梅子さん第一句集「旅人木」に
亀鳴くや日和佐の句座をなつかしみ
東京の藤散りやまず咲きやまず
新茶供ふる青邨師百十五
切りわけて八十八夜土佐小夏
日光月光あまねき日初鰹
軽暖のあけくれ碑文字書き継げる
生れきし子瞑れるひと青嵐
雪解富士沼津あけぼのまくれない
顔ゆがむひと月の八十八夜
佐渡小木の竹風鈴をまづ吊りぬ
五月十五日八十五歳となられた日「秘花」刊行される
寂聴さんゆく手ゆく手に夏の蝶
永井雪狼さん第一句集「湖の韻」に
みなづきの月光湖にあふれつつ


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