例会トピックス 

あんず句会(藍生関西2月例会)

 (平成19年2月16日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:薄氷・
鶯・二月


主宰ご出句

  昭子さんに
冬ばらの微笑ことのはとこしなへ
   二月八日寂聴先生祝賀会 帝国ホテル
春星やつひに大鬼となり給ふ
雛かざる雛の句五千けみ閲せし夜
   柳橋にて吉徳の当主と
十一世徳兵衛さんと雛の酒
   『微笑』に
八十の春立つ句集まくれなゐ


特選句
  薄氷の帰りは解けてゐたりけり
初音ですよと隣より電話くる 
漂へるうすらひほどの縁かと 
種芋を選る九十の眼にちから 
梅遅々と咲くやほどよき物忘れ
満天の涅槃の星と申すべく  
如月の胸中を酌む僧二人   
身をはすかひに鶯は見ぬやうに
誰ぞ持つ朧をしまふ頭陀袋  
傘立の傘こほりたる常楽会  
春の雪みじかく深く睡りけり 
うぐひすの声まちにけり寂庵に

中村 昭子
億  みき
出井 孝子
本郷 熊胆
橋本 榮治
長  晴子
今井  豊
河辺 克美
滝川 直弘
宇高 徳子
宇高 徳子
中村 昭子








一重丸句
  待つことをしあわせと言ふ冬桜
切り口の瑞々しさの二月かな 
音たてて榾火のはぜる涅槃経 
笹鳴やしづかに供ふ一番茶  
今まさに刻苦如月ひかり満ち 
座蒲団に赤子眠らせ雛飾る  
大寒の鬱金のごとき昼さがり 
残寒や暇で苛ちな夫とゐて  
寂庵に近づく歩幅春どなり  
風花に触れ高野の風に紛れ  
薄氷の橋に尼僧とすれちがふ 
修二会竹担ぎ大根煮いただきぬ
三十年見てきし梅に目礼す  
流氷泣く知床岬月まろし   
二ン月のツィード似合ふ男かな
まめ飯にしていただきぬ追儺豆
うぐひすやけふは新聞休刊日 
教へ子にわつと囲まれ風光る 
藻塩焼く島に二月の蝶生れて 
恋猫の鳴き止み昼にさしかかる
二ン月の狂女弥勒のごと笑まふ

氏野 光子
宮田 泰子
長  晴子
大出 豊子
今井  豊
畳谷 智代
植田 珠實
安土八重野
愛  綾乃
洲崎 展子
佐渡寿美恵
億  みき
寺島 麻里
氏野 光子
中村 昭子
佐渡寿美恵
中川 恭子
安土八重野
大出 豊子
植田 珠實
出井 孝子








記:奥  良彦 写真(c):長 晴子


戻る