例会トピックス 

あんず句会(藍生関西1月例会)
 (平成19年1月19日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題:寒の入・雑煮・竜の玉

主宰ご出句

寝て起きて書きて高野の寒の水
健康文運黒髪寒満月
丸餅の熱し高野のお雑煮は
陸奥の寒鱈真闇のひかり発す
KOSUKEIWASAKI初老なる寒見舞


特選句
  暖冬や島沈みゆく沈みゆく
かわきたる猫と絵の具と白障子
寒の内するめしやぶりて安酒も
大寒の甕のそこひに紅の泥
寂庵の臘梅の香に背伸びして
冬の雨やはらかく意を通したる
平凡な母の雑煮を皆好み
ひと去りぬ寒満月に背を晒し
飾りしてなつかしき人夢に出づ
足音の遠ざかりゆく竜の玉
ぐるぐると毛布に包み父帰す
ひと掻きの雪足してやる雪達磨
おとなしき犬のほとりに炭を焼く
狐火やかみそり負けの顔さげて
これやこの淡海のいろぞ竜の玉
よぎりしは貂か鼬か貴船口
極月や鯛の目玉の火に落ちて
特大の寒鰤に値のつきにけり
合田圭希
河辺克美
寺島麻里
米田多美子
佐渡寿美恵
曲子治子
佐藤静江
出井孝子
植田珠實
出井孝子
植田珠實
永井雪狼
本郷熊胆
滝川直広
藤平寂信
安土八重野
今阪雅子
佐渡寿美恵








一重丸句
  みそざふに父の大きな膝の上    
生きたしとわが息もがく枯木星   
正月を眺めてをりぬ東京の     
月光のしんしんと降る冬ざくら   
白侘助挟みて君と吾の部屋     
神杉の水の甘さの雑煮餅      
初比叡やさしく見ればやさしかり  
九十の義父からもらふお年玉    
けつたいな服着て歩く女正月    
湯たんぽを赤子の如く抱きて老ゆ  
手を合はす初東雲の近江冨士    
よく燃ゆる枯菊後悔なく生きて   
マスクして流砂のごとき言葉堰   
走り去る女の草履竜の玉      
らふばいのうつし世の黄にあゆみよる
エプロンの糊きかせて寒の入    
寂庵に庭師きてゐる寒の入     
辰歳の夫にあげよう竜の玉     
かのこゑもかのほほゑみも凍星に  
霙るるや加賀金箔の油紙      
屋久島の杉箸そはす雑煮椀     
中村 昭子
今井 わこ
太田 智子
長  晴子
河辺 克美
大出 豊子
安土八重野
植田 珠實
橋本  薫
阿部 輝子
藤平 寂信
氏野 光子
滝川 直広
中村 昭子
米田多美子
宮田 泰子
永井 孔雀
橋本  薫
滝川 直広
曲子 治子
米田多美子








記:寺島麻里 写真(c):長 晴子


戻る