例会トピックス 

第168回 藍生4月例会

(平成18年4月9日)
会場:池袋芸術劇場大会議室

主宰ご出句

  選句中断たけのこのどんと着き

   新井靖子さんを惜しむ
   春愁の翼の拡げきつて翔つ

  どこまでも残花に冷ゆる月の道


特選句
  おほざくら入江に舟のもどりけり 大場 敦子

  春凪の舟つぎつぎと増えにけり 岩井 久美惠
  砂山を夕凪の吹く櫻かな 石川 秀治
  寝て母と春の吹雪に耳澄ます 水巻 令子
  大泣きをして菜の花をかへりみる 熊谷 一彦
  水音の祀られてゐる藪椿 今野 志津子
  野を焼ける一村を風あたらしく 中田 千惠子
  舟底の水掻いだしててふてふかな 栗島 弘
  声かけたし一年生のどの子にも 山岸 明子
  雨去りてさつと日のさす花御堂 二宮 操一
  青き踏むわが天空にわが大地 入沢 まき子
  初蝶の青き谷よりたちにけり 中田 千惠子
  母のやうに桜しづかに掃きあつむ 成岡 ミツ子
  仏生会小舟の数へきれず浮き 有住 洋子
  心ゆるしてをらぬ椿切る音 劔持 育代
  生きながら心老いゆく花の下 竹内 貴久枝
  永き日や味噌売りに来し信濃人 田中 美代子
  渡る橋なき対岸の桜かな 石橋 玖美子


記・写:後藤 洋


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