例会トピックス 

第165回 藍生1月例会

(平成18年1月22日)
会場:池袋芸術劇場大会議室

主宰ご出句

 雪中の臘梅を剪る愛子さん

  逢ひ訣れ逢ひ訣れ雛飾りけり

  雪の香の臘梅の香のゆきわたり



特選句
  冬の草けものの匂ひしてゐたり       田中 浩子
  出掛けぬと決めてわづかの雪を掻く    有澤 静
  元旦の妻美しく甲斐々々し         小林 由紀子
  雪踏んできしむらさきの遺影かな      水巻 令子
  大寒の天井えいの遊泳す          岩井 久美恵
  知らぬ子と鴨の陣見て別れけり      木津川 珠枝
  姿見に映りてをりぬ雪の庭         田浦 伊久子
  名を捨ててただ寒木として立てり      今野 志津子
  雪を積み花花を積み発たれけり     小木曾 仁子
  雪あかりしてひとりでは生きられぬ    大矢内 生氣
  皆底のしづけさ日暮白障子         小松 勢津子
  臘梅や徳川様の勝手口           河村 信子
  繭玉や海鳴の音暮れてなほ        深津 健司
  大寒の経済學を哀しめり          大矢内 生氣
  雪九糎東京右往左往            横井 定利
  寒風に意地を晒してをりにけり       石田 六甲

一重丸句
  息白くしづかな一語一語かな        古橋 淑子

 

  都鳥群を離るるその一羽          植村 やよひ
  雪降り積む波郷の墓に詣りけり       山口 恭徳
  店の灯のむかうに雪が降りしきる      藤井 正幸
  御降りや吉報一つまた一つ         井上 英子
  菖蒲田につづく水べり笹子鳴く       小松 勢津子
  水仙やご遺体の間の四畳半        門奈 明子
  火の奥になほ深き闇どんど焼        大貫 瑞子
  雪の門くぐり桜の精に会ふ          軽部 梢
  発つ人のあり雪片の舞ひやまず      小木曾 仁子
  ま白なる破魔矢の占めて椅子ひとつ   鈴木 信幸
  鶏小屋に餅つく音のひびきけり       鈴木 仁
   佇めば濤と光と鴨の列            竹内 貴久枝
  ほがらかにけふの日の差す冬牡丹    桑田 津海坊
  雪を見て過去をみてゐるガラス窓     田中 浩子
  降りてきし最後のひとの冬帽子       寺澤 慶信
  貧乏とまでは言はねど寒の月       石橋 玖美子
  交番の机の上に竜の玉           風間 博明

記・写:後藤 洋


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