aoilogo2006年1月藍生主宰句
小春日
黒田杏子

   記念の色紙を染筆二百枚
 冬に入る無量光院墨磨って
 梅黄葉きのふのこゑをなつかしみ
 手紙書くけさの小春のしづけさに
 都鳥かの世この世の川湊
   十五周年四句
 ともかくも栗松茸ごはん炊いて
 小春日のなかの小春日東京の
 遊俳のかほそろひけり小六月
 永さんも寂聴さんも小春凪
 老人のかざせる一枝冬紅葉
 嵯峨菊の一茎三花風とらふ
 枯れて立つ枯れ切って立つかがやかに
 平野屋の終松茸名残鮎
   金子兜太先生東京やなぎ句会興行三越劇場にご出演
 木枯かいや虎落笛荒凡夫
 湯布院の柚子と山方宿の柚子
 小春日のひとには告げぬこころざし


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