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黒田杏子
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記念の色紙を染筆二百枚 冬に入る無量光院墨磨って 梅黄葉きのふのこゑをなつかしみ 手紙書くけさの小春のしづけさに 都鳥かの世この世の川湊 十五周年四句 ともかくも栗松茸ごはん炊いて 小春日のなかの小春日東京の 遊俳のかほそろひけり小六月 永さんも寂聴さんも小春凪 老人のかざせる一枝冬紅葉 嵯峨菊の一茎三花風とらふ 枯れて立つ枯れ切って立つかがやかに 平野屋の終松茸名残鮎 金子兜太先生東京やなぎ句会興行三越劇場にご出演 木枯かいや虎落笛荒凡夫 湯布院の柚子と山方宿の柚子 小春日のひとには告げぬこころざし |