例会トピックス

 
あんず句会(藍生関西12月例会) 
(平成18年12月8日)
会場:曼陀羅山 寂庵
兼題:短日・木菟・枇杷の花

主宰ご出句

        ひいぢい
薬喰曽祖父さんの紬着て

お坊さま尼さまわれら薬喰

   桂信子・鈴木六林男先生の
重ね著て靴紐締むる三回忌

手書き派の炬燵卓袱台塩せんべ

  十二月七日グランヴィアホテル京都
白川大人昇天のしぐれ虹


特選句
ぬくぬくと神も仏も雪囲     
日の隙にしやがむ妹枇杷の花   
湖はどこより更くる木菟の声   
葛湯吹く夫をふびんにおもふとき 
木菟啼けば湖の魚も深睡     
砂利鳴つてみみづく啼いてへんろ道
枇杷の花志とかあつた筈     
花枇杷に甘え己に甘えをる    
髪染めて二人つきりの忘年会   
秋天につうのよぶこゑ順二逝く  
ひとつ目の神を大事と木菟啼けり 
短日の月の光に旅立たれ     
短日のともしび点くるために生き 
一人きてひとりまたよし大枯野  
木菟や涙あふるることもある   
木菟の襤褸着て奉公と啼くとかや 
寒鯉の飴煮半切れ供へけり    
木菟のしじまを覗く夜の扉    
黄昏の海鼠を噛めぬをとこかな  
橋本 榮冶
河辺 克美
永井 雪狼
橋本  薫
中村 昭子
出井 孝子
井崎ユキ子
寺島 麻里
太田 智子
長  晴子
滝川 直広
中村 昭子
河辺 克美
金子 恵美
水谷 紀子
藤平 寂信
洲崎 展子
大出 豊子
今阪 雅子










 
一重丸句
   荒畑の墓参の道に枇杷の花     
  木菟の背に星移る祷りの手     
  先立たれ七回忌過ぐ枇杷の花    
  木菟ホウホウ師のあと追うて走りけり
  核兵器持ちて凍土となりし国    
  理路整然と妥協せず日短か     
  母在りて一人の音の枇杷の花    
  とほ山のとほき世のいろふゆがすみ 
  はやぶさを咬まむと土佐の涛の音  
  焚火して鯉鮒諸子蝦揚がる     
  父の椅子母の座布団日短か     
  年つまるやさしき人に囲まれて   
  暮早き舞子芸妓の喪のすがた    
  短日の静かにふゆる灯かな     
  膝の子が狐火のこと聞きたがる   
  紅葉散る音か時雨の過ぐ音か    
  
佐藤 静江
今井  豊
藤平 寂信
出井 孝子
金子 恵美
茶谷 幸子
縣 ひとみ
米田多美子
出井 孝子
宇高 徳子
洲崎 展子
太田 智子
中村 昭子
縣 ひとみ
金子 恵美
河村喜代子







             
記:寺島麻里   写真(c):洲崎展子


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